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去年ゆったりしていた服が今年はぴったり。シニアのおしゃれは“都合よく解釈する力”も大事

お盆というお日柄ではありますが、ちょっと背筋が冷える、本当にあった怖い話をひとつ。

去年はもっとゆったりしていたはずの服を、今年も同じ気分で着てみました。この服は、体の線を拾いすぎない「ゆるっと感」が好きで選んだもの。ところが鏡の前に立ってみると、どう見てもぴったり。いや、気のせいでなければ若干パツパツです。

ハンガーに掛けていただけなのに、服というものはクローゼットの中で勝手に小さくなることがあるのでしょうか。朝から静かに首をかしげてしまいました。

去年の「ゆるっと」が、今年は「ぴったり」

好きな服ほど、去年の着心地までよく覚えています。肩まわりに余裕があって、お腹や腰のラインもほどよくぼかしてくれて、気負わず着られるところがよかったのです。

それが今年は、生地の落ち方もシルエットも何やら違う。鏡の中の自分を右から見て、左から見て、もう一度正面から確認しても、やっぱり去年とは違います。

去年よりぴったり感じたグレーの夏コーデ

 

小さくなったのは一着だけじゃない

一着だけなら、洗い方のせいかしら、素材のせいかしらと考えることもできます。でも、あれもこれも確実に小さくなっているとなれば話は別です。

どうやら最近、私のクローゼットには服をひと回り小さくする魔法使いが住みついているらしい。夜中にこっそり袖や身頃をつまみ、少しずつ縮めているに違いありません。そう考えれば、辻褄もぴったり合います。

グレーのロングスカートを後ろから見た夏コーデ

 

体重計より、今のバランスを見る

ここで体重計に乗れば、話は早いのかもしれません。でも、人を数字だけで計るなんて、私にはできません。もちろん体調管理は大切ですし、体の変化を見ないふりをする必要もありません。ただ、数字ひとつで気分まで重くするより、今の自分がどう見えるかを鏡で丁寧に見るほうが、おしゃれにはずっと役立ちます。

きつい場所はどこか、丈や重心は合っているか、インナーの厚みを変えれば整うか。サイズ表記は服の都合であって、着る人の価値ではありません。大切なのは、今の体に無理をさせず、きれいに見えるバランスを探すことです。

ぴったりになったら、着方を更新する

以前より少し体に沿うようになった服も、すぐに手放すとは限りません。白いインナーをのぞかせて縦の線をつくる、羽織りを開けて奥行きを出す、バッグやアクセサリーで視線の位置を上げる。ほんの少し着方を変えるだけで、窮屈そうな印象を和らげられることがあります。

それでも動きにくい、呼吸がしづらい、座ったときにつらいなら、潔く今の自分に合うサイズへ。服に体を押し込めるのではなく、服のほうを今の自分に合わせる。そのほうが立ち姿も表情も自然になり、結果として若々しく見えます。

ゆるっと感を楽しむグレーのロングスカートコーデ

 

去年と同じであることに執着するより、今の私を気持ちよく見せる一着を選ぶ。おしゃれは体を採点するためではなく、毎日を楽しくするためにあるものです。鏡を見たときに少し背筋が伸び、外へ出かけたくなる気持ちが残ること。それこそが、服を選ぶいちばんの意味だと思っています。

シニアのおしゃれには、都合よく解釈する力も必要

年齢を重ねると、体型も肌も髪も少しずつ変わります。去年似合ったものが今年はしっくりこないこともあれば、昔は選ばなかった色や形が急に似合うこともあります。その変化をすべて「老化」の一言で片づけてしまうのは、あまりにもったいない。

服が小さくなったのなら、魔法使いの仕業かもしれない。着こなしが変わったのなら、新しいバランスを見つける機会かもしれない。そんなふうに少し都合よく、明るく解釈する力があると、おしゃれはもっと長く楽しめます。

現実を深刻に受け止めすぎず、笑いながら今の自分に似合う方法を探す。魔法が解ける日を待つのもよし、こちらから新しい魔法をかけ直すのもよし。今日も鏡の前で、今の私が一番きれいに見える着方を選びます。

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