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黒のシアーな羽織りと白のロングボトムを合わせた夏のモノトーンコーデ

夏の黒は重くない。黒の絽の着物を目指すシニアの涼やかモノトーン

夏に黒を着ると、重く見える、暑そうに見える。そんなふうに感じて、つい明るい色ばかり選んでいませんか。けれど、黒は使い方次第で、夏の装いをいちばん涼やかに見せてくれる色でもあります。今回、私が目指したのは黒の絽の着物のような佇まい。凛としているのに軽やかで、肌や白の分量が透けて見える、あの大人ならではの「粋」です。

夏の黒で目指したい「絽の着物」の涼やかさ

絽の着物は黒でも決して重たく見えません。織りの間に風が通り、向こう側の気配がほんのり見えるからです。色そのものより、素材の薄さや余白が涼しさをつくっています。洋服でも同じで、黒を面で埋め尽くすのではなく、光を通す素材として重ねると印象は一変します。

黒を避けるのではなく、黒の見せ方を変える。年齢を重ねた肌や髪には、曖昧な色だけでまとめるより、輪郭をつくる黒が頼もしいこともあります。大切なのは、強さだけを前に出さず、どこかに風が抜ける場所を残すことです。

白の上下に透け感のある黒の羽織りを重ねた全身コーデ

 

白の分量を増やして黒を軽くする

今回は白をたっぷり見せ、その上に黒のシアーな羽織りを重ねました。白いトップスと白いロングボトムが大きな余白になり、黒の線を軽く受け止めてくれます。黒を主役にしたいからこそ、白を控えめにするのではなく、むしろ大胆に使うのがポイントです。

前を閉じずに羽織ることで縦のラインが生まれ、身体の中心に白が通ります。すると全身がすっきり見え、黒の存在感も柔らかくなります。白と黒を半分ずつに分けるのではなく、白の上を黒がふわりと動くイメージにすると、モノトーンでも夏らしい軽快さが出ます。

透け感のある素材で暑苦しさを消す

夏の黒でいちばん気を配りたいのは素材です。厚く詰まった生地は、実際の気温以上に重たく感じさせます。反対に、シアーな羽織りや肌がわずかに見える靴なら、黒でも視線が止まりません。光と風を通す素材が、装いの中に小さな抜けをつくってくれます。

後ろ姿では羽織りの透け感がより分かります。黒の下から白がやわらかく浮かび、裾の動きにも立体感が生まれます。体型を隠そうとして大きく覆うより、薄い黒を一枚重ねて輪郭をぼかすほうが、かえってすっきり見えることもあるのです。

白のロングボトムに黒のシアーな羽織りを重ねた後ろ姿

 

小物は少数精鋭で輪郭をつくる

服が白と黒で潔いぶん、小物は数を増やさず、質感で変化をつけます。繊細なゴールドのアクセサリーは顔まわりに温度を足し、黒のチェーンバッグは全身の輪郭を引き締めます。足元も透け感のある黒にすると、バッグとのつながりが生まれ、装いが一つにまとまります。

小物まで全部を黒で固めるのではなく、金属の光や肌の見える面積を味方につけること。きらめきがほんの少し入るだけで、礼服のような堅さが消え、街で楽しむ大人のモノトーンになります。バッグは小ぶりでも存在感のあるものを選ぶと、白の広い面に心地よい締まりが出ます。

黒いチェーンバッグを合わせた白と黒の夏の着こなし

 

大人の夏は「かわいい」より「粋」を選ぶ

若い頃と同じかわいらしさを追いかけなくても、今の私たちには経験を重ねたからこそ似合う美しさがあります。黒を堂々と着て、白で軽くし、姿勢よく歩く。その潔さは、装飾をたくさん足すよりもずっと印象に残ります。診断の正解だけに自分を当てはめず、着てみたい気持ちを大切にしたいと思います。

60代後半になり、私の中でますます大きくなっている言葉は「美しくありたい」です。それは若く見せることでも、年齢を隠すことでもありません。今の身体や顔立ちを受け入れながら、好きな服を自分らしく選び、軽やかに着ること。黒の絽の着物を思わせる夏の装いは、そんな気持ちを静かに支えてくれます。

黒は暑いからと遠ざけていた方も、まずは透ける羽織りや小さなバッグから取り入れてみてください。白の余白、素材の軽さ、少しの光。この三つがあれば、夏の黒は重くありません。大人の黒を、涼やかに、粋に。好きな色をあきらめず、今の自分に似合う着方へ更新していきましょう。

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