トレンドはいつの間にか日常になる。シニアこそシアーを普通に着ればいい
シニアにシアー、ある?ない?と聞かれたら、私は「どっちでもいいんじゃない」と思っています。似合う人だけが着る特別な服でもないし、若い人だけのものでもありません。今はあーだこーだ言っている人だって、そのうち慣れてしまいます。
トレンドは、最初に出てきた時ほど違和感があります。でも、気づいたら当たり前になっている。今、ガラケーを持っている人をほとんど見ないのと同じです。昔は携帯電話を変えることにも抵抗があったのに、今はスマホが普通になりました。服も同じです。
トレンドは突然ではなく、いつの間にか日常になる
新しいものが出てくると、最初は少し落ち着きません。透ける服なんて無理、シニアには関係ない、そんなふうに感じる方もいると思います。けれどショップに行けば、もうシアー素材は特別な棚にだけあるものではありません。ブラウスにも羽織りにもスカートにも、当たり前のように入っています。
つまり、こちらが受け入れるかどうか迷っている間に、服の方はどんどん変わっています。昔の感覚だけで「これは若い人のもの」と決めてしまうと、選べる服がどんどん狭くなります。大人のおしゃれは、全部を追いかける必要はありません。でも、今の空気を少しだけ取り入れる柔らかさは持っていたいものです。

シアーは露出ではなく軽さで着る
シアーと聞くと、肌を見せる服だと思ってしまう方が多いかもしれません。でも大人が取り入れる時は、露出ではなく軽さとして考えると分かりやすいです。全身を透けさせる必要はありません。袖だけ、裾だけ、羽織りだけ。ほんの一部に透け感があるだけで、重たくなりがちな夏の装いがすっと軽く見えます。
黒や濃い色も、透ける素材になると印象がやわらぎます。肌を出しているというより、布に空気が入る感じです。だから、体型を隠したい方にも実は使いやすい。厚い布で全部覆うより、薄い羽織りで縦のラインを作る方が、軽くて今っぽく見えることもあります。

抵抗がある時ほど、まずは小さく試す
いきなり主役にしようとすると、シアーは難しく感じます。だから最初は、いつもの服に一枚足すくらいで十分です。ノースリーブの上に薄い羽織りを重ねる。シンプルなワンピースに透けるスカートを合わせる。色は派手にせず、黒、白、ベージュ、グレーあたりから始めると、大人でも取り入れやすくなります。
大切なのは、年齢で線を引かないことです。「もうこれは無理」と決める前に、どうしたら自分に合うかを考えてみる。丈を変える、色を抑える、重ね方を変える。それだけで、同じトレンドでもちゃんと大人の着こなしになります。

今の服を着る人は、ちゃんと今に見える
古く見える原因は、服そのものが古いことだけではありません。考え方が止まっていると、今の服を見ても自分には関係ないと思ってしまいます。けれど、今の服を今の自分に合わせて着る人は、年齢に関係なくちゃんと軽やかに見えます。
トレンドを追いかけ回す必要はありません。ただ、世の中の服が変わっていることには気づいていたい。シアーもそのひとつです。怖がらず、否定しすぎず、自分の分量で取り入れてみる。そうすると、今までの服にも新しい空気が入ります。
シニアだからこそ、変化に慣れていくことが大切です。昔の正解だけで選ぶのではなく、今の自分がきれいに見える方法を探す。シアーは、そのきっかけになってくれる服だと思っています。